「まんがでわかる!元気が出る睡眠」(漫画・カミムラ晋作 監修・鍛治恵)より
朝型生活への第一歩は「マスタークロック」のリセット
朝型・夜型には、体内時計が深く関わっています。その中心になっているのは、約一日周期の「サーカディアンリズム(概日リズム)」です。
睡眠・覚醒のリズムと体温リズム。
この2つが連動することで、朝目覚めてからおよそ16時間後に眠くなるという基本的なリズムが生まれ、さらにその基本リズムに連動するかたちで、ホルモン分泌や自律神経の活動、各臓器の働きなどもサーカディアンリズムを刻んでいます。
そう、私たちの体には複数の体内時計が備わっているんです。
体内時計には、「24時間より少し長いため後ろにずれやすい」という特質があります。
夜更かしが楽で早起きがきついのはそのためです。
でも、夜更かしや不規則な生活が続いては、リズムが崩れあらゆる不調の原因に。
体内のすべての体内時計は、脳の視床下部にある「視交叉上核」という領域で制御されています。
そこには「マスタークロック」と呼ばれる、親時計なるものが備わっていて、朝、太陽の光を浴びると、マスタークロックが覚醒し、末梢時計が調整されていきます。
朝型に変わりたいなら、まずは毎朝太陽の光をしっかり浴びることが大切です。
朝活、早起きのしすぎは逆効果
起きるモチベーションになるのであれば、朝活それ自体はいいこと。
でも、意気込んで起きる時間を一気に早めたり、早起きしたにもかかわらず、夜はいつもと変わらず遅くまで活動しているというのでは、寝不足や体内時計の乱れにつながります。
起床時間は、まずは10~15分ずつ調整していくこと。
そして、夜は起床時刻を早めた分、いつもより早めに休むようにしましょう。
今までの生活スタイルに朝の活動をプラスして余裕をなくしてしまっては本末転倒です。
夜の時間を朝に移行するという考え方で、無理のない調整を心がけてください。
睡眠の質を上げる行動の中でもとくに重要なのは、日中しっかり活動したら、夜はしっかり休むという、1日を通じてのメリハリなのです。
午後の睡魔は自然の摂理
お昼を食べたあと、会議中に突如として襲ってくる眠気。
午後の睡魔は不可抗力ですよね。
でもそれは当たり前のことなんです。
私たちの体内には、サーカディアンリズムのほかに、「サーカセミディアンリズム(半概日リズム)」という半日周期の眠気のリズムも存在しています。
昼間に眠たくなるのは、まさにこのサーカセミディアンリズムによるもの。
よく「ランチを食べるとお腹がいっぱいになって眠くなる」なんて言いますが、実はお昼を食べなくても、私たちの体はそのくらいの時間に眠くなるようにできているんです。
眠気の強さは睡眠の不足度合いに応じて強く感じたり、少し我慢すればやり過ごせる程度だったりと変化します。
眠気を断ち切る3つの方法
午後の仕事に集中したいとき、大事な会議やプレゼンがあるとき、次の3点に気をつけてみてください。
①明るい時間帯に20分だけ仮眠をとる
潔く仮眠をとったほうが、やる気も集中力もみなぎるというもの。
ただし、夕方など遅い時間帯や、20分以上の仮眠は、体内リズムが乱れる原因にもなるので気をつけましょう。
通常15~20分間、ご高齢の方なら30分くらいを目安にしてください。
②仮眠前にはコーヒーを
仮眠前、コーヒーや紅茶などでカフェインを飲んでおくのもおすすめです。
カフェインの覚醒効果が出るまでには20分ほどかかるので、寝すぎを防止でき、シャキッとした状態で仕事に臨むことができます。
③人と会話する機会を作る
午後はじっとしていると眠気が出る時間帯。
意図的に、電話や相談事の時間に充てるのもいいでしょう。
デスクワークでどうしても眠くなったら、資料を手渡しに行く、階段を上るなどとにかく動くこと。
眠気は生理的なもの 。
どうしても眠いときは、この3つを意識して、午後の眠気に打ち勝ちましょう。
『まんがでわかる! 元気が出る睡眠 (Business Life)』 (クロスメディア・パブリッシング) |