忙しいビジネスパーソンにとって、規則正しい食生活を送ることはなかなか難しいですよね。夜遅くまでの残業で疲れもピーク。そんな時、気晴らしやエネルギーチャージとしてついつい夜食に手が伸びてしまうかもしれません。
でもちょっと待って! その食生活が、あなたの脂肪の原因かも。なんと夜遅く食事をとると、太りやすい体になってしまうのです。
夜食べたものは脂肪になる
夜中の食事が脂肪の蓄積につながるのには大きく分けて3つの理由があります。
1.夜は活動量が少ない
食事のあと、夜は運動する機会がありません。疲れ切った体を休めるため、ゆっくりと睡眠をとるはずです。これでは活動量が少なく、食事で摂取したエネルギーを消化することができませんよね。ここで余ったエネルギーはどうなるのでしょうか。
そうです、体脂肪として蓄積されてしまうのです。
2.夜はエネルギーが消費されにくい
DIT(食事誘導性熱生産)を知っていますか? DITとは、食事をしたときに、胃や腸で食べ物を消化・吸収するために消費されるエネルギーのことをいいます。みなさんは食事をとったあと、「体がぽかぽかしてきたな」という実感をもったことはありませんか? それは食べ物を消化・吸収するため、このDITというエネルギーが消費されている証拠です。
1日のうち、このDITの分泌量が一番高いのは朝。夕方になると減少し、夜には最も低くなります。つまり、朝の食事のエネルギーはDITとして消費される割合が高いということ。反対に、夜の食事のエネルギーはあまりDITとして消費されません。食べる量が同じだった場合、夜の方がエネルギーが消費されることなく体に蓄積され、太りやすくなってしまうのです。
3.夜10時~夜中2時は脂肪を蓄える時間
夜はBMAL-1という物質が最も分泌される時間帯でもあります。BMAL-1は脂肪を蓄える働きを持ち、夜に食べたものの大部分はこの物質によって脂肪に変化させられてしまいます。特に夜10時~夜中2時の分泌量が多く、この時間帯にはあまり食事をとるべきではありません。
体を疲れさせる原因にも
夜中の食事は肥満だけでなく、体の疲れも招きかねません。夜遅く、または寝る直前に食事をとることは体の負担になります。眠っている間も消化器官を動かすことになるので、せっかくの睡眠時間に十分に体を休めることができなくなってしまうのです。
また、夜食から朝食までの時間が短く、空腹感が感じられません。それは朝食を抜くことにつながり、生活リズムの乱れを引き起こします。そしてまた夜中にお腹を空かせ、ついつい食べ物をつまみ、また朝食を抜く……これでは悪循環ですね。
どうしても夜食をとりたい! そんな時は
夜には様々な太るきっかけがあります。だから何も食べないのが吉。
でも、「何か食べないと、気がまぎれなくて仕事ができない……。」そんな人もいるはず。こんな時は夜食のとり方を工夫しましょう!
①油を避ける
胃もたれの原因になり、消化に時間がかかるためです。
②低エネルギー・低脂肪の食材を選ぶ
例えば白身魚や豆腐、温野菜、うどん、野菜スープ、牛乳、ココアなど。
③調理法は茹でる・蒸す
自分で調理する場合、なるべく油を使わず、茹でる、蒸すなどの調理法でエネルギーセーブを心がけるといいですね。
おわりに
夜の食事は疲れから簡単に口に入れられるものになってしまいがちです。自然と太りやすいメニューになっているかもしれません。体の特性を理解して、できる範囲で規則正しい生活を送っていきましょう。
「はたらく人のコンディショニング事典」(著:岩崎一郎、松村和夏、渡部卓)より
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