ネットを中心に「二日酔いに効く」「頭がシャキッとする」などと、さまざまな健康効果が話題になり、非常に売れているのだとか。
メディカルリテラシーをテーマとした啓発活動を展開している老年病科医の岡本宗史先生と、『ぶどう糖.com』を運営する小笠原久雄さんに、シーン別の効果的なとり方を聞いた。
【糖尿病】怖い低血糖の症状に即効性が
ブドウ糖を必要とする病気としてよく知られているのが糖尿病です。膵臓で作り出されるホルモン・インスリンの作用が不足すると、ブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用できなくなり、血中のブドウ糖濃度が高くなる。
この高血糖の状態が糖尿病で、治療しなければ神経障害や網膜症、腎症などを引き起こしてしまう。そのため血糖値を下げる治療として、薬を服用したり、インスリン注射を打つが、その副作用として起こるのが、高血糖とは逆の低血糖。
「糖尿病の患者さんには、動悸、冷や汗、手指の震えなどの低血糖の症状が出たときのために、ラムネなどのブドウ糖を携帯することを指導します。砂糖が入ったアメ玉でもいいのですが、ブドウ糖のほうが吸収が早く即効性があるのです」(岡本先生)
【熱中症】水分+塩分+ブドウ糖で酷暑を乗り切る
熱中症とは、高温多湿な環境などで、身体の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節ができなくなり、身体に熱がこもってしまう状態のこと。症状としてめまいや吐き気、手足のしびれなどが起こり、とくに高齢者は死に至ることもあるので、注意が必要。
熱中症対策に必要なものといえば、水分や塩分の補給が知られているが、ブドウ糖も大切。こまめにとるようにしよう。
「大量に汗をかいて熱中症になると、水分だけでなく塩分も失われて、身体に異常をきたします。塩分をとる際には、ブドウ糖を一緒にとることで、塩分だけのときよりも、腸に素早く吸収され、さらに水分の吸収も早くなることがわかっています。ブドウ糖によって身体に必要な塩分と水分を素早く取り込むことができるので、ブドウ糖は熱中症対策として有効なのです」(岡本先生)
【二日酔い】飲む前後に補給すれば、肝臓の代謝に役立つ
ブドウ糖が二日酔いに効くことがわかり、お酒を飲む人たちにラムネが大人気になっている。でもどういう仕組みで効くのか?
「お酒を飲んだとき、肝臓がアルコールを代謝する際にできるのが、アセトアルデヒドという成分。このアセトアルデヒドの分解にはブドウ糖が大量に消費されますが、ブドウ糖が不足するとアセトアルデヒドが体内に残り、低血糖になってしまうことが二日酔いの原因に。
飲んだ翌日に頭痛や身体のだるさが起こってしまうのです。しかし、お酒を飲む前、飲んだ後にブドウ糖を含むラムネなどを補給すれば、ブドウ糖不足に陥らず、二日酔い防止に役立ちます。
お酒を飲んだ後にラーメンやごはんもの、甘いものを食べたくなるのは、炭水化物を食べることで、身体がブドウ糖を補おうとしているからかもしれません」(岡本先生)