「デキる人は、ヨガしてる。」(著:石垣英俊、及川彩)より
肉体改造に必要な「フィジカル・コンディショニング」とは?
空前絶後の「肉体改造」ブーム。
CMや雑誌で自らの輝かしい肉体を披露されている方もよく目にします。
非言語コミュニケーションの中でも、匂いや雰囲気、声といった全体的なものを重視する女性と違って、特に視覚からの情報に左右されやすい傾向のある男性は、まず自分を変えるために、姿勢や体型、表情や衣服などの見た目を改造することから入っていくのも、うなずけるところです。
「肉体改造」をするためには食事や栄養管理が欠かせませんが、フィジカル・コンディショニング(肉体を整えること)も近年、注目を集めています。
これは、なぜでしょうか。
考えられる理由は2つあります。
フィジカル・コンディショニングが注目される2つの理由
1つ目は、運動や、ランニングやテニスといった趣味のスポーツで起こりうる怪我を防ぐメリットがあるということ。
大好きな趣味が怪我で思うようにできなくなってしまうのは悲しいことです。
普段から良い状態に整えておけば、スポーツのパフォーマンスも向上していきます。
2つ目は、姿勢が改善して体力がつくということ。
姿勢が良くなるだけでも、集中力と持久力は高まります。
このように肉体を整えていく方法は、姿勢などの見た目からもわかりやすく、疲れにくさなども実感できるので継続しやすいと言えます。
柔軟性だけではない!ヨガでバランスよく美しい体へ
ヨガの動きは伸展(前屈・後屈)、ねじり、バランス、逆転、アームバランス(手で体を支える)、ヘッドスタンド(頭で立つ)、リラクゼーション、といった、陰(静かな動き)と陽(活発な動き)の両方が網羅されています。
背骨を動かすことや緊張と弛緩を繰り返すことで、自律神経も整え、バランスのよい心身を実現させます。
「ヨガ」というと体を柔らかくするものと思われがちですが、実際は、筋力トレーニング的な要素もたっぷり含まれています。
多くの方が印象として持っている柔らかい体だけでなく、強く、しなやかな肉体をつくるのが、「ヨガ」でもあるのです。
ストレッチも「ヨガ」から生まれた?
健康長寿国の日本には、ありとあらゆる健康法が存在します。
そうした健康法やメソッドの中には、実はヨガの影響を受けているものも少なくありません。
健康法ではありませんが、先述した体の柔軟性を高めるフィジカル・コンディショニングとして思い浮かぶのはストレッチでしょう。
著しく体が硬いと、怪我をする可能性が高まる上に、関節や骨に負担をかけ続ければ病気を発症することもあります。
そんなことが背景にあるのか、最近では体を柔らかくすることを目的とした書籍が書店にずらりと並んでいます。
ストレッチには、ヨガのポーズに類似したものが数多くあります。
ヨガとストレッチの違いとは?
では、ヨガとはストレッチなのでしょうか。
ストレッチという概念が生まれたのは1960年頃、アメリカのスポーツ科学論文で使われたことが始まりと言われています。
1970年代後半には、ボブ・アンダーソン著『STRETCHING』(1975年)が普及し大きく広がりました。
一方でヨガの発祥は紀元前2500年頃。今から約4500年も昔です。
そんな古代に、今のような肉体にフォーカスするヨガのポーズが存在していたかどうかは定かではありませんが、少なくとも現代行われているヨガのルーツである肉体にフォーカスするヨガも1000年頃には確立されていたといいます。
ヨガにはストレッチの要素がふんだんに含まれていますが、ヨガ=ストレッチではありません。
でも、ヨガをストレッチとしてあなたの日常に取り入れるのも、生活を豊かにする一つの方法です。
また、ストレッチだけでなく、ヨガには体幹トレーニングの要素も含まれています。
ヨガのポーズや呼吸法を正しく行うことで、体幹は自然と活性化し、鍛えることができます。
名前や起源が違っても、ポーズや形が違っても、あなたがそれを有効に活かすことに意味があるのです。
『デキる人は、ヨガしてる。 (Business Life)』 (クロスメディア・パブリッシング) |