「相手を変える習慣力」(著:三浦将)より
自分自身へのダメ出しをしていませんか?
“どれくらい自分自身を認めているか”、または“どれくらい自分に OK を出しているか”の指標に、
「自己肯定感」というものがあります。
「相手を変える習慣力」の著者、三浦将氏は、“相手を変える”には、相手を変えないことが大事であると説き、そのかわり、“承認することが大事である”と述べています。そのこととこの自己肯定感がどのように関わっているかについてお話したいと思います。
承認するということが大事であるとすると、それ自体は、自分自身が行うことになりますので、「あなたは、あなた自身の可能性(相手を承認できる自分になる可能性)を、どれくらい信じているでしょうか?」ということが次に大事になってきます。
もし「自分自身のことをどれくらい認めていますか?」という質問があったとき、「何で私はこんなふうに考えてしまうんだ」等と、毎日たくさん自分に問いかけているとしたら、それは自分に対してダメ出ししているということです。これは、言わば、自分自身への勇気くじきを繰り返している状態となります。
一方、「これでいいんだ」、「いろいろあるけど、よくやっている」と思う場合は、自分への OK 出し、つまり承認となるはずで、自分自身の可能性を信じ、自分自身にちゃんと勇気付けをしてあげていられる状態となります。
自己肯定感を強くしていくことが、相手を承認できることに直接つながっていくのです。
自分の未来の能力を信じる
可能性とは、『未来の能力』です。今現在の能力ではありません。多くの人は、今現在の能力だけを見て、未来の可能性を信じない。このように、未来の能力にも同様にダメだと決めつけることが、可能性を信じないことになってしまいます。
では、私たちは、未来の能力もダメだと決めつけることができるほど凄い予測能力を持っているのでしょうか?違いますね。ですので、できることといえば、“可能性を信じること”、つまり“自分の未来の能力を信じること“になるのです。
まずは“あなた自身の未来の能力への信頼をあなた自身がしっかり持つ”。これが、あなた自身への「承認」の第一歩となるはずです。
自己肯定感が低くなってしまうワケ
相対的に日本人の自己肯定感は低いという事実があります。内閣府発表の平成 26 年度版「子ども・若者白書」に、日本を含めた 7 か国の満 13 歳から 29 歳の若者を対象とした、意識調査の結果が掲載されています。
この調査によると、「自分自身に満足している」という項目では、日本の若者が「そう思う」もしくは「どちらかというとそう思う」と答えた割合は、45.8%と 2 人に 1 人を切っています。これは、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、韓国を含む 7 か国中、最下位のレベルで、1 位のアメリカは 86.0%、6 位の韓国でも71.5%と、日本のそれとは大きな差が見て取れます。
これは、日本の若者たちは、相対的に自分自身に満足している度合いが低く、自分のことを認めることができない度合いが高いということです。しかも、数字的には、世界の他の先進国に比べて、かなりの差が存在します。これは、若者対象の調査ですが、おそらく日本に住む人たち全体に言える傾向なのではないでしょうか。
その背景には、「日本人特有の厳しさ」が挙げられるのかもしれません。日本人は、その文化的背景から、非常に規律正しく、自分に厳しい。さらには “ 謙虚 ” という美しい文化があり、控えめでいることが美徳とされている。そのため、自分自身に設定しているバーが高いのではないかとも考えられます。
「できない自分」にフォーカスしすぎない。そうしたことで自己肯定感を上げていけるでしょう。