人の脂肪が最も分解される時間はいつでしょうか? それは寝ている時です。
寝ている間でもエネルギー消費は行われていますが、その主な栄養源は脂肪を分解した脂肪酸です。
ただしこれには条件があって、あまりに多くの炭水化物、たんぱく質を摂り過ぎると、脂肪の分解は抑えられてしまいます。炭水化物、たんぱく質からの過剰なエネルギーは脂肪に作り替えられるため、同時に脂肪が分解されることはないからです。
そのためメタボ対策には、夕食時に過剰な炭水化物だけではなく、たんぱく質の量にも注意する必要があります。
もちろん睡眠時間が短くなれば、脂肪代謝は落ちます。
寝ている間におもに栄養を必要とするのは、脳、内臓ともうひとつは筋肉です。夜間に筋肉の合成が進み、損傷した部位の修復が行われます。よって筋肉量が増加すれば、寝ている間に勝手に脂肪を燃やしてくれることになるのです。
総エネルギー消費量のうち約50〜80%は基礎代謝量と呼ばれ、前述のように生きているだけで自然に消費されるエネルギーです。基礎代謝量は脳が20%、心臓が9%、肝臓が21%を占めています。
そしてそれ以上に基礎代謝量が多い臓器が骨格筋すなわち筋肉です。
基礎代謝量を増加させたいと考えた時、心臓、肝臓の代謝量をコントロールすることは不可能です。自らコントロールできる基礎代謝量は筋肉の代謝を上げることしかありません。
もちろん基礎代謝量は安静時に測定するため、運動時には筋肉の代謝量は激増します。体脂肪を減らしながら、筋トレをして筋肉量を増やして、基礎代謝量を上げてリバウンドしにくい体にしていくことが目標ですが、事はそう単純ではありません。
まず筋肉量が増えたかどうかを客観的にチェックする方法がないので、すこし筋トレをして筋肉が張ると筋肉が増えた気がして気が緩み、たくさん食べ過ぎる人が多いです。体脂肪を減らしながら基礎代謝を上げていくことは、現実的には困難です。
また、脂肪組織にも基礎代謝が存在します。筋肉が1㎏増加した時の基礎代謝量の増加はおよそ13㎉です。脂肪組織の基礎代謝量は1㎏あたり4・5㎉ あるため、筋肉が1㎏増えても脂肪が3㎏減ってしまえば基礎代謝量はむしろマイナスになる計算です。初期の頃は脂肪を落とすことが優先なので、基礎代謝の低下は許容しつつ、同時に筋力トレーニングを行って筋肉量を落とさないようにしておく必要があります。
カギは筋トレと睡眠

もちろん脂肪が落ちてトレーニングしていれば、体を動かしやすくなるため、同じ歩行速度でも心肺系や骨格筋の疲労度が以前よりも軽減されることになり、自ずと歩行する速度が上がったりするため、全体のエネルギー消費量は増加します。
筋肉量の増加速度はゆっくりなため、減量が進むと皮膚がたるみ、想像以上に筋肉のない体を目の当たりにすることになります。この段階を経て筋肉量が増加していくと、皮膚の張りも、基礎代謝も増加していきます。
筋肉をつけるために過剰にたんぱく質を摂るなどせずに、筋力トレーニングの刺激を継続しつつ夜間の脂肪代謝機能を存分に使うために、夕食後すぐに眠らないこと、そして睡眠時間を長くとることを心がけてください。
『不調を治す 血糖値が下がる食べ方』(著:石黒 成治)より
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