コンディショニング

健康診断の結果を読み解くスキル

 健康診断は情報の宝庫です。

 尿酸値は痛風のリスクを示して、激痛に見舞われる惨事から救ってくれます。またアルコールを飲まないのに肝機能数値が悪ければ、脂肪肝の可能性を示唆してくれますし、筋肉増強に励んでいる人が腎機能数値を悪化させていれば、筋トレのし過ぎという忠告になります。

 ところが検査項目は見慣れない英字で書かれており、数値がズラズラ並んでいても、その意味がわかりません。そのため、せっかく健康診断を受けても情報を活かせず、だんだん不健康になっていく残念なケースが多いのです。

 身体からの繊細なメッセージを受け取り、重大な疾患のリスクを回避して、日々、活躍できるよう、ぜひ健診結果を読み解ける、知的でカッコいい男を目指しましょう。

 まずは一見、取っつきにくい健診の検査結果から、注目するべきポイントをピックアップして、そこに何が示されているのかを理解していきましょう。

生活習慣病リスクを知る基礎情報!
>>血圧

 基準値は最高血圧130mmHg未満、最低血圧85mmHg未満。高めの場合は、塩分のとりすぎ、運動不足、ストレス、肥満についてチェックしましょう。塩分のとりすぎは血中の水分を増やし、その影響で血圧が上がります。また強いストレスを受けるとアドレナリンの分泌などの影響で、やはり血圧が上昇します。できれば血圧計を自宅に用意し、モニターしながら生活習慣を整えていきましょう。

糖尿病や動脈硬化の危険度を把握!
>>血糖

 血糖は、血液中のブドウ糖の値。高血糖の状態が続くと血液がドロドロになって流れにくくなり、重度になるとブドウ糖が血管を詰まらせてしまうこともあります。空腹時血糖が100mg/dLを超えると糖尿病の発症リスクが2倍以上になるので要注意。また110mg/dL以上は、糖尿病の可能性があるので、詳しい検査を受けて状態を確認することが重要です。

普段の血糖値の平均値を知る!
>>HbA1c

 HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、ブドウ糖と結びついたヘモグロビンの値です。過去3〜4カ月の血糖値の状態が反映されます。血糖値と異なって、検査前の食事や運動の影響を受けないので、血糖値の平均のよい目安となります。「5.6%未満=正常範囲」「6.0〜6.4%=糖尿病予備軍」「6.5%以上=糖尿病」とされています。

自覚しづらい腎機能の低下をチェック!
>>尿素窒素

 尿素窒素はたんぱく質を代謝してできた、本来は尿として排泄されるべき老廃物の値。血中の値が高いと、腎臓の機能が低下しているか、たんぱく質を多く代謝したと判断でき、クレアチニンと併せて腎機能の指標となります。値が高いケースは、腎機能低下のほか、筋トレなど激しい運動をした後や、けがをしたとき、高たんぱく食を食べたとき、消化器の出血、発熱しているときなど。著しく高い場合は腎炎や腎不全の疑いもあります。

筋肉の老廃物が腎機能の状態を示す!
>>クレアチニン

 クレアチニンは、たんぱく質が代謝されてできた老廃物。尿素窒素と同じく、本来は尿として排泄されるものですが、腎機能が低下していると処理が進まず血中にたまってしまいます。そのほか尿素窒素と同様に、筋トレなどの運動、けが、高たんぱく食の摂取などによっても値が上昇します。著しく高い場合は腎炎、腎不全の可能性を検査しましょう。

飲酒の影響をダイレクトに反映!
>>γ-GTP

 γ-GTPは肝臓や腎臓でつくられる、解毒作用に関係する酵素の値。肥満や過剰な飲酒によって多くつくられると、血中に出てきて値が上昇する。51u/ℓ以上は、肝機能障害の疑いあり。とくに過度の飲酒によるアルコール性肝障害で値が顕著に上昇し、ほかに閉塞性黄疸、胆石症、肝炎、急性膵炎の診断にも用いられます。

肝障害のレベルを把握できる!
>>AST・ALT

 AST・ALTは、どちらも肝細胞で産生される酵素。アルコールの影響などで肝臓が障害され肝細胞が壊れると、血中に出てきて値が上昇します。とくにALTは、肝障害の程度を知るのに適しています。健康な人はASTのほうが高値ですが、肝障害では逆転します。基準値はともに30以下。

悪玉・善玉のバランスに着目!
>>総コレステロール・HDL・LDL

 総コレステロールは脂質の一種で、細胞の機能調節や栄養吸収などに関する働きをし、細胞膜の材料にもなります。HDLは善玉コレステロール、LDLが悪玉コレステロール。HDLは全身の余分なコレステロールを回収し、LDLが全身にコレステロールを運搬するので、バランスが重要になります。バランスを示すLH比が2・0以上だと動脈硬化、2.5以上では血栓が疑われます。心筋梗塞や脳梗塞のリスクも気にかけましょう。

動脈硬化、脂肪肝の兆候を捉える!
>>中性脂肪

 中性脂肪は脂肪の一種で、エネルギーを貯蔵する役割を持っています。食べすぎ、アルコールのとりすぎ、肥満によって高い値になります。また、動脈硬化の発症、進行にも関係しているので注意。高いケースでは脂質異常症、脂肪肝、動脈硬化症、甲状腺機能低下症の可能性、低いケースでは低栄養、甲状腺機能亢進症の可能性も確認しましょう。

痛風のリスクを早めにキャッチ!
>>尿酸

 尿酸は、細胞核の成分であるプリン体が分解された老廃物。血管を巡った後に腎臓で処理され排せつされるが、腎機能が低下していたり、プリン体の材料になる食べ物をとり過ぎると高い値を示します。基準値を超えると高尿酸血症と診断され、痛風に対するハイリスクな状態となります。

 検査結果の意味がわかると、自分の数値が示している意味、つまり将来的にどのような疾患の可能性があり、自分はそれにどの程度、接近しているのかが理解できます。

 検診結果の現状には、過去のライフスタイルが反映され、同時に将来の健康レベルが映し出されているわけだ。じっくり読み込んで役立てていきましょう。

『男のヘルスマネジメント大全』(著:石川 雅俊)より

<併せて読みたい>

肥満・メタボを改善して生活習慣病を防ぐには?日々の対策5選


『男のヘルスマネジメント大全』
(クロスメディア・パブリッシング)

 

今、あなたにオススメ