チームの初速を上げて、効率的にタスクを進めるためには、リーダーの的確な指示出しが不可欠です。タスクを始める前の段階で、メンバーに指示を出す際には、次のような三つの確認をしておくことが大切です。
【確認①】タスクの「3W1H」を明確に伝える
「3W1H」とは、Who(誰が)、What(何を)、When(いつまでに)、How(どのように)……ということです。
仕事を効率よく進めるためには、作業を始める前の段階で、メンバーに対して、「どんな仕事を、誰が、いつまでに、どのようにやるか」を明確に伝える必要があります。
この「3W1H」がわかっていれば、メンバーは、「誰が何に手をつければいいのか?」を理解して、作業の段取りを考えることができます。
タスクだけを丸投げして、期限や役割分担を曖昧なままにしておくと、誰も当事者意識を持てないため、チームの動き出しが鈍くなります。
【確認②】早い段階での「イメージ合わせ」の重要性を共有する
リーダーとメンバーの間で、タスクに対する「認識」の違いがあるまま作業が進んでしまうと、差し戻しなどが発生して仕事が遅くなります。
ドラフト(下書き)レベルでもいいから、本格的に動き出す前の段階で、「イメージ合わせ」することの重要性を、リーダーとメンバーが共有しておくことが大切です。
「やり方はお任せするけど、イメージが合っていないと、お互いが不幸になるから、ドラフトレベルで5分だけ確認するからね」と伝えておけば、メンバーの動き出しは自然と早くなります。
少なくとも、進捗0%の状態が延々と続く事態は避けられますから、仕事の初速を早めることにつながります。
【確認③】フィードバックする時は「承認サンドイッチ」を使う
成果を出し続けるリーダーの行動を調査した結果、彼らは一般のリーダーと比べて4倍も「ありがとう」という言葉を口にしていることがわかっています。
「この仕事をやってくれ」と指示されるよりも、「この仕事を頼むね、ありがとう」といわれた方が、メンバーは気持ちよくタスクと向き合うことができます。
こうした気遣いも、初速を早くすることに役立ちます。
チームを動かす「承認サンドイッチ」

優秀なリーダーが、こっそりと使っている人心掌握術のテクニックに「承認サンドイッチ」と呼ばれるものがあります。
仕事の依頼の前後を「ありがとう」という言葉で挟んで、「ありがとう+依頼+ありがとう」と伝えるのが承認サンドイッチです。
最初の「ありがとう」は、「あなたが忙しいのは承知しているから、仕事を受けてくれて、ありがとう」という意味の感謝の言葉です。
その後の「依頼」で、具体的な3W1Hなどの依頼内容を伝えて、最後の「ありがとう」は、「期限通りにやってくれて、ありがとう」という意味を込めて、きちんとやってくれることを前提に、先に感謝を伝えているのです。
最後の「ありがとう」を伝えることによって、「やらされてる感」がなくなり、仕事を依頼したリーダーのためだけではなく、自分のためにやるという当事者意識が生まれるため、前向きに仕事と向き合うことができます。
上司やリーダーに二度も「ありがとう」といわれたら、すぐにやらざるを得ない気持ちになるものです。
この承認サンドイッチは、20~30代の若手社員の尻を叩いて、動き出しを早くさせる際にも効果を発揮します。
口頭でメッセージを伝える場合だけでなく、メールでも使えるテクニックです。
『仕事は初速が9割』(著:越川 慎司)より
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