リュウジさんにとって料理とは?
——リュウジさんは、それこそ毎日自炊して新しいレシピを開発されているわけですが、どうやって料理へのモチベーションを維持しているんですか?
「みんなに料理をしてもらえること」がすごく楽しいので、それがモチベーションになってますね。
——その「料理をしてもらいたい」という気持ちは、どういったふうに生まれたんですか?
ぼくは「趣味」と呼べるものが、料理しかないんですね。だから、基本的に料理のことしか人と話すネタがないんです。でも、ぼくの周りには料理をする人がまったくいなくって……。
——じゃあ、話が合う人がいない!
そうなんです!それでも「料理の話をしたい」ってずっと思っていて、どうすればいいかって考えたときに、「じゃあ、みんなに料理してもらえるようにすればいいじゃん!」って思いついたんです。
それで、最初は誰も見ないような料理のブログをやってたんです。そこからSNSに移行したら、いつの間にかこんな感じになってました。
——もともとは「ただ料理友達が欲しかった」ということなんですね!
そうです。自分が料理の話をしたいがために、みんなに料理をしてもらいたいみたいな(笑)。ぼくにとって、料理はコミュニケーションのひとつなんです。
なので、Twitterとかで料理についての話をするのが大好きで。たまに炎上っぽくなって、ぼくも怒ってるみたいに思われちゃうんですけど、それは誤解で、実はめちゃくちゃ楽しいんです。
基本的にはSNS大好きで、ぼくのアカウントのフォロワー数は今50万人くらいなんですけど、みんな料理が好きってことじゃないですか。料理を通じてこれだけの人と繋がれるっていうのが、今すごく面白いと感じてます。
「じゃがアリゴ」はどうやって生まれたの?
——フォロワーの多さに代表されるように、リュウジさんといえば「バズる」ことで有名ですよね。いままでにいちばんバズったのは、どのレシピだったんですか?
「じゃがアリゴ」ですね!これはダントツです!
——やはり!すごいバズってましたね!このレシピはどうやって思いついたんですか?
アリゴはマッシュポテトとチーズを練り上げたフランスの郷土料理なんですが、前にその簡易版をレンジでつくったんです。本場は鍋でやるんですけど(笑)。それをつくったときに「もしかしたらじゃがりこでもできるんじゃないですか」ってコメントをもらって、「たしかにじゃがりこでもつくれる!」と思ったんです。
でも、ただじゃがりこでつくっても意味ないから、めちゃくちゃ簡単にしようと思って。「どうしようかな〜」と考えてたら、さけるチーズが火を通すと意外と伸びることを思い出したんです。そしたら、うまくできました。
それをツイートしたら、その日のうちから反応が凄まじかったですね。
——私も「つくってみた」投稿がすごく多かったのを覚えてます!でも市販のお菓子を使う料理研究家の方ってだいぶ珍しいですよね。
これくらいはっちゃけてやる人はあんまりいないかもしれないですね。あまり食材に対してこだわりがないんですよね。「これじゃないといけない」っていう固定観念があまりないので、「どんな食材がきても美味しくする」っていうポリシーでやってます。
なので、硬派な方とは話が食い違うこともあって、それこそ炎上っぽくなったりもするんですけど……。それでも、自分の考えを発信することで、それに共感してくれた人がぼくのレシピを見て、料理をつくってくれればいいな、と思ってます。ぼくは人に料理をつくってもらうことしか考えてないので(笑)。