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「コロナうつ」を防ぐにはーセルフチェック方法と3つの対策

体調管理スキル

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の動向に不安が尽きない毎日ですが、感染症の流行が生み出す「恐怖」や「偏見」も人から人に広まってしまうことをご存知でしょうか?この記事では、「コロナうつ」と呼ばれるメンタルヘルス不調から身を守る方法を紹介していきます。

「コロナうつ」とは?

 

長期化する新型コロナウイルス感染症の流行でメンタルヘルス不調に追い込まれてしまう、所謂「コロナうつ」が社会問題化しています。「コロナうつ」という言葉は正式な病名ではありませんが、メディアやインターネット上ではコロナ禍で急増する人々の抑うつ状態を総称して使われています。

 

抑うつ状態における症状

抑うつ状態では、

  • 行動力や集中力の低下
  • 人と会いたくなくなる
  • 物事を悲観的に考えてしまう
  • 不安や悩みが消えない

などの精神的症状のほか、

 

  • 不眠、過眠
  • 食欲不振や拒食、過食
  • 肩こり、腰痛などの身体の痛み
  • 倦怠感、動悸、息苦しさ

などの身体的症状もあらわれます。

 

このような抑うつ状態が悪化してしまうと、やがてうつ病や睡眠障害などセルフケアでは改善が難しい病気に陥ることも。抑うつ症状が2週間以上、ほぼ1日中続いている、日常生活に支障が出ている方は、精神科や心療内科への受診をすすめられる場合もあります。

 

メンタルヘルス不調に陥る背景と原因

なぜ「コロナうつ」を訴える人が増えているのでしょうか?

日本うつ病学会では、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う心理的・社会的変化を7つ指摘しています。※1

 

  1. 感染への恐怖
  2. 社会的役割の喪失
  3. 自分自身への無力感
  4. 孤立や偏見
  5. 他者に感染させる不安
  6. 経済的な困窮
  7. 制限や自粛への怒り

 

このような変化をもたらした新型コロナウイルス感染症が、私たちに強い不安感を抱かせるのには理由があります。

 

まず、新型コロナウイルス感染症は目に見えないウイルスであること。

次に、新しい病気であるため明確な予防法・治療法が確立していないこと。

最後に、人間には上記2つのような“わからないもの”を恐れる傾向があるためです。

 

コロナ禍では不安感や偏見も「感染」していく

不安・恐怖といった感情は人から人に伝染していき、人々の間で恐怖心が増していくと、医療従事者や流行地域から来る人・物に過剰な嫌悪感・偏見を抱いてしまうなどの現象も起こります。

そのため、コロナ禍における心理的・社会的変化は第2・第3の感染症と位置付けられ、対策が急がれているのです。

 

「食う」「寝る」「遊ぶ」に現れるメンタル不調のサイン

仕事のミス本人編

「コロナの流行を不安に感じることは多いけど、うつ病は大げさかな。」

などと思っていませんか?うつ病や睡眠障害など自力で回復することが困難な病気は、突然なるのではなく日々の不調が積み重なって引き起こされます。つまり、今抱えている不安や疲労をチェックし、セルフケアしていくことが「コロナうつ」を予防・解消するために欠かせません。

 

自分がどれだけストレスを蓄積しているのか。自分の「こころ」がどれだけ疲れているのか。

『マネジメントはがんばらないほどうまくいく』の著者で産業医の三宅琢氏は、今のあなたのメンタル状態は「食う」「寝る」「遊ぶ」の3つのポイントからチェックすることができると紹介しています。

 

セルフケアチェックポイント

◎食う

  • 大好きだった料理がおいしく感じない
  • お腹が空いたと感じない
  • 空腹感や満腹感と実際の食事量にズレがある
  •  味の好みが大きく変わった

◎寝る

  • 寝付きが悪くなった
  • 目覚めがスッキリしない
  •  時間的には十分寝ているのに寝た気がしない
  • 予定より早く目が覚めてしまい、再び寝付くことができない

◎遊ぶ

  • いままで好きだったことをする気になれない
  • 何をしてもつまらないと感じ、苛立ってしまう
  • 時間だけは潰せても満足感や興奮がない

 ※引用:『マネジメントはがんばらないほどうまくいく』

 

自分は大丈夫だと思いこまずに、上記のチェックポイントを確認してみてください。

 

「コロナうつ」を予防する3つの習慣

体調管理スキル

ここからは、メンタルヘルスの健康を保つために日常に取り入れたい習慣を紹介していきます。

 

①規則正しい生活を心掛ける

心身の健康を保つには、規則正しい睡眠と食事を心掛けて自律神経のバランスを崩さないことが重要になります。

 

時短営業やリモートワークなどで勤務形態が安定しない方も、毎日の就寝時間と起床時間を決めて生活のリズムをつくりましょう。理想の睡眠時間は、最新科学では「7時間」という結論が多く出ています。

カルフォルニア大学のダニエル・F・クリプキ名誉教授が110万人の睡眠時間について6年間追跡調査したところ、

「睡眠時間が6.5~7.4時間の人々が死亡率が最も低い」という結果に。

他にもアメリカの能力トレーニングサイトで行われた認知力テストでは、

「認知力が高くなるピークの睡眠時間は7時間」と報告されました。※2

もちろん必要な睡眠時間には個人差があるので、「7時間」を目安に調整してみてください。

※ビジネスライフで睡眠に関する記事をもっと見る

 

食事は一定の時間をおいて食べることで自律神経のリズムを整えることができます。一般的に食べてから消化・脂肪の燃焼までには3〜5時間かかるとされているので、6時間間隔で食事をし、なおかつ就寝前の食事は睡眠の質を下げるので寝る3時間前までには夕食を済ましておきましょう。

 

※食事についてはこちらの記事もチェック!

・自律神経を整える食べ物とは?食事から“セロトニン”を増やす方法

 

②リフレッシュできる活動をする

趣味や運動を通して心身をリフレッシュすることも大切です。

 

外出自粛で体をあまり動かしていない方は、ウォーキングやストレッチなど継続的に取り組めそうな運動から始めてみましょう。体力や免疫力を高めるだけでなく、ストレス解消にも効果的です。

※運動不足解消についてはこちらの記事もチェック!

【動画】ストレッチで仕事効率アップ!デスクワークの疲れを取ろう

 

リフレッシュを求めるには、体を動かすアクティブな活動だけでなく、ゆっくりと心身をリラックスできる活動についても考えてみましょう。しかし、飲酒、喫煙、食べ過ぎ、ギャンブルなどは、度が過ぎるとかえってイライラやストレスをためてしまう結果になるので注意が必要です。

お菓子づくり、絵を描く、入浴剤を入れるなど「おうち時間」を充実させてくれる趣味で、こころとからだを癒してみてください。

 

③情報と距離を置いた時間をつくる

私たちは、メディアやSNSを通して頻繁に、そして大量に新型コロナウイルス感染症の情報に触れて生活しています。感染予防や不安払拭のために正しい情報を得ることは不可欠ですが、かえって自分の中の不安を増幅させる恐れがあります。食事中や寝る前などはニュースを見ないように決めておくなど、情報から離れて頭を休める時間を意識的に設けてください。

 

 

ウィズコロナ時代を心身ともに健康で過ごせるように、日々の生活を充実させていきましょう。

 


■出典・参考文献:

※1『COVID-19に関する資料』日本うつ病学会:https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/gakkai/teigen/covid19.html

※2『健康な数値』猪俣武範 クロスメディア・パブリッシング

『マネジメントはがんばらないほどうまくいく』三宅琢 クロスメディア・パブリッシング

・『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に 対応する職員のためのサポートガイド』日本赤十字社:http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/pdf/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%EF%BC%88COVID-19%EF%BC%89%E3%81%AB%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%99%E3%82%8B%E8%81%B7%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89.pdf

 

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