こちらの記事は週刊女性PRIME(運営:主婦と生活社)の提供でお送りします。
「食べすぎたら動けばいい」「もう年だからお肉は控えないと」
「代謝が下がったからダイエットはムリ……」
そんな言い訳ばかりの方に朗報です! 食べ方関連の書籍を続々ヒットさせているダイエットのプロであり、モデルや女優からの信頼も厚い運動指導者の森拓郎さんに、本当に効果がある、「やせる食生活」を教えていただきました。
■代謝を上げたいのなら運動よりもまず食事!
圧倒的な“やせにくさ”を感じることが増えたこのごろ。これってやっぱり“代謝”が落ちていることが原因?
「年齢とともに代謝は確実に落ち、やせにくい身体になっていきます。でも、この下がり続ける代謝を上げる方法は私たちの身体をつくる“毎日の食事”にあります。そもそも大切な栄養素が足りていないから代謝の機能が下がるのであり、そのため手っ取り早くカロリーになる栄養素をついついとってしまうので、それで太る……という悪循環が考えられるのです」
こう語るのは運動指導者の森拓郎さん。自身のスタジオ「rinato」でボディメイクやダイエット指導をする傍ら、ダイエットに関する著作は多数。なんと著作累計で70万部を突破する人気っぷり。しかも爽やかイケメンとあって、いま大注目のダイエットのプロなんです。
代謝が上がった、下がったとよく言うけれど、森さんによれば、代謝=身体を温めることじゃないのだそう。
「代謝とは、身体の中の化学反応のこと。体内に入ってきた栄養素をどう使うかが代謝の状態を示しているんです。栄養価が高いものをとると化学反応が起きますが、栄養が低い食材ばかりとっていると、材料がないため化学反応が起きない。それが代謝が悪いという状態。代謝をよくするためには、低カロリーなどの表示に惑わされず、栄養価の高い材料を体内に入れてあげる必要があるわけです」
そもそも、森さんが“食事10割”を提唱するのには理由があるみたいで……?
「ほとんどの女性は運動したくても継続できない、そもそもやりたくない(笑)。単調でつらいばかりの運動は楽しくないし、それってしかたがないですよね。僕が食事10割といっているのは、ムリに運動するよりも食事を変えるほうが効率よくやせられるから。運動しないとやせられないと思っている方もあきらめないでほしいんです」
さっそく森さんのメソッドで、代謝が上がる身体づくりにトライしましょう♪
■食事10割で代謝を上げる10か条
【その1】食事は見た目の50%をタンパク質に
食事で代謝を上げる方法として最も重要なのは、タンパク質。森さんによると、ご飯やパンなどの主食ではなく主菜をメインに献立を考えるのがいいんだとか。
「タンパク質は代謝に必要な栄養素が豊富に含まれているだけでなく、体脂肪になりにくいという最強の代謝アップ食。1食のうちの見た目50%をタンパク質にすると、それだけで代謝が上がりやすくなります。動物性タンパク質の多い、肉、魚、卵や大豆製品を食事のメインに。特に肉は最も効率よく代謝を上げる食材なので、脂身の少ない赤身肉などを積極的にとりましょう」(森さん)
【その2】卵は1日、何個でもOK!
「よく卵は1日1個まで、と言われていますが、そんなことはありません。卵は代謝アップに効果大の食材です。忙しい朝でも菓子パンを食べるくらいなら、ゆで卵2個に置き換えてみてください。パンよりも腹持ちもいいはずです。ただし卵を多くとる場合は、必ず一緒に食べる糖質の摂取量を減らすこと。脂質+糖質を避けることが大事なので、3個以上になる場合は、卵の脂質が増えたぶん、糖質をカットしましょう。『卵+砂糖』からなるメニューに気をつけてください」。やせたいのなら“脂質+糖質”を避けよう。
【その3】 「ヘルシー」「低カロリー」を謳った食品にだまされない
健康、低カロリーを謳った加工食品。実は糖質や脂質、塩分、食品添加物だらけなんだとか。
「添加することじたいが悪いわけではないのですが、たいていは素材のままだと食べにくい形や味のものに、いろいろ加えることによって食べやすいものに加工しているわけです。そうなると、本来とったほうがよい栄養が減って、とらなくてもいいものが増やされているということでもあります。例えば、魚肉ソーセージ。ヘルシーと謳われていますが、1匹の魚を比べれば、栄養価が高いのは当然、魚です。
また、低カロリーだからといってたくさん食べれば意味はないですし、必要な栄養素がとれなければ食べる意味がありません」
食材は無加工の素材の形に近いものを選んで。
【その4】よく噛んで、ゆっくり食べる
“よく噛んで食べなさい”。これって子どものころから言われ続けてきたことだけど、意外と意識できてないかも?
「唾液に含まれるIGF−1という成分はインスリンと似たような作用を持っていて、血糖値の上昇を抑える働きがあります。また噛めば噛むほど咀嚼中枢が刺激され、“お腹いっぱい”と脳が感じやすくなる。どうしても早食いが直らないという人は、“ひと口食べたら箸を置く”方法がオススメです」
【その5】“代謝アップ油”は、オメガ3と覚えて
油というと、もうそれだけで敬遠してしまうかもしれませんが、むしろ身体に大切な素材。代謝アップに効果的な油を選べば無敵です。
「積極的にとるべき油“オメガ3”は血液をサラサラにして、体内の炎症を抑える作用があります。オメガ3が含まれる食材は、イワシやサバなどの青魚、魚介類、くるみ、亜麻仁油、えごま油など一部の植物油と野菜。反対に、揚げ物をするときなどに使われるサラダ油や大豆油などのオメガ6を含む油は、避けるべき油です」
【その6】「砂糖」と「小麦」はダイエットの天敵!
多くのお菓子を構成しているのが、砂糖と小麦粉。やはり、やせたいのなら避けたほうが無難。
「代謝機能を低下させている大きな要因は、糖質のとりすぎです。なかでも砂糖と小麦の多い食品は、ビタミン・ミネラルが少なく、粗悪な油脂類とミックスしてあるような加工食品が多いため、代謝が下がりやすくなります。パンや麺類はできるだけ避け、身体に必要な栄養でお腹を満たすことを意識して」
【その7】米飯と上手に付き合う
米飯は糖質の代表選手。糖質=代謝ダウンの元凶のようだけど、日本人の食生活には欠かせません。どうしたらいいの……?
「ご飯を食べるときのルールは1食80グラムまでならOK。量にするとお茶碗に軽く1杯程度。これをしっかり噛みしめて食べてください。ご飯を減らすことに抵抗がないようであれば、朝または夜は、ご飯をカットするプチ糖質制限も代謝アップに効果があります。ただそのぶん、空腹感が増して余計なおやつを食べてしまう……というのなら、ご飯は減らさないほうがいいですね」
【その8】おかずに迷ったら……「マゴワヤサシイ」
代謝を上げるためにタンパク質をたくさん食べればいいのはわかったけど、ほかのおかずは何を食べればいいの? そう悩んでしまったときの合言葉は「マゴワヤサシイ」。
「マは納豆などの豆製品、ゴはごまなどの種子類、ワはワカメなど海藻類、ヤは野菜。特に緑黄色野菜がいいですね。サは魚。シはしいたけなどのキノコ類、イはさつまいもなど芋類。ミネラルやマグネシウムといった、代謝に大切な栄養素が含まれています。先ほどもいいましたが、これらを素材に近い状態で食べることが大切です」
【その9】納豆、みそ、チーズ……発酵食品は代謝アップ食!
「納豆を筆頭に、みそや漬物、チーズやギリシャヨーグルトなどの発酵食品は、代謝アップを助ける優秀な食材です。ぜひ積極的に食卓に並べるようにしましょう。チーズはカマンベールやチェダーといったナチュラルチーズがオススメ。ヨーグルトは水きりされたギリシャヨーグルトだと、なおいいですね」
しかし、市販されているものにはきちんとした発酵食品でないものも多いとか。名称と原材料名の欄を見て、「発酵」の記述があるかどうか確認しよう。
【その10】空腹は体脂肪燃焼の絶好の機会!
空腹はダイエットの天敵。そう考えていませんか? でも、お腹がすいているときほど、実は体脂肪は燃焼しやすくなるそう。
「空腹時や睡眠時など血糖値が大きく下がっているときは、脂質代謝が高まるとき。体脂肪燃焼の絶好のチャンスなんです」
空腹感に襲われたときこそ、いま脂肪が燃えている……とワクワクして過ごすといいのかも。
【最後に】水や野菜で満腹に……って、そのダイエット間違ってます!
食事前に水をいっぱい飲む、半玉キャベツでカサ増し……。そんなダイエット方法、よく耳にしますよね。でも「それは大きな間違い」と森さん。
「水やキャベツ、こんにゃくなどを食べて空腹を紛らすのはいちばんやってはいけない方法! 大食い選手が大会前に水をたくさん飲むのは、胃を広げるため。お腹を膨らませることで胃のキャパが広がってしまうので、より“食べられる身体”に。また固形物より液体のほうが太りにくいというのも間違い。固形物のほうが消化するためにエネルギーを使うので、熱を作ります。体内に入れた際に、より手間がかかる食べ物をとることが大切なんです」
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