「デキる人は、ヨガしてる。」(著:石垣英俊、及川彩)より
心身は常に変動している
自分の体に自信を持つのは大切なことです。
しかし、どこにも問題がないと過信しすぎるのは、時に危険なことです。
私たちは誰1人完璧な存在はいませんし、多少のアンバランスは誰にでもあるものです。
また、体も心もずっと一定であることはありません。
常に流動的に変化していると知るのも大事なことです。
ヨガで内側から体を変える
ヨガには300を超えるポーズがあるといわれています。
簡単なものから難しいものまで、実に様々です。
ポーズをとる時に、呼吸と姿勢、そして自分の肉体に意識を向けていくことで、今、自分の体がどこにあり、どのような状態なのか、気づくようになります。
ヨガでは、このように体の感覚に意識を向けることで、今の状態を認識し、良い悪いは関係なく、受け入れることを繰り返し行います。
その動作の最中は、体の感覚に意識を集中させるため、一時的とはいえ外の世界を忘れ、自分の内側を見ることになります。
このルーティーンを続けていくと、次第に外で見える世界も変化していきます。
まさに、内側から変わることで、外の世界が変わるのです。
言い換えるならば、内側から変わることでしか、外の世界は変わらない、とも捉えられるでしょう。
意外と気づかない自分の体
「自分の体は自分が一番よくわかる」とおっしゃる方がいます。
果たして、本当にそうでしょうか。
私たちは自分が思っているほど自分の体のことをわかっていません。
大自然と触れ合うことを忘れ、時間に追われている現代人は特にそうでしょう。
また、これは体だけに言える話ではありません。
自分の気持ちや感情さえもわからなくなってしまうこともあります。
だからこそ、体の動きや感覚、筋の緊張や呼吸の状態に意識を向けていくヨガが、いま求められているのです。
ヨガで右脳を活性化させる
ヨガのポーズに、片足で立つ木のポーズ(ブリクシャアーサナ)があります。
バランス感覚を養うポーズです。
簡単そうに見えて、意外と難しく左右差も感じやすいものです。
他にも長く静止するのが難しいポーズは沢山あります。
そういったポーズを長くキープするには、柔軟性も筋力も必要ですが、前述した深部感覚が大切です。
深部感覚とは、腕や足、頭といった自分の体が今どこに位置しているのかを感じる感覚です。
普段意識することのない深部感覚は、目に見えない知覚や全体感をイメージすることに長けている右脳が支配しています。
私たちは普段、論理や言語をつかさどる左脳優位な状態になりやすいと言われていますが、ヨガを実践することで右脳が活性化することもわかっています。
家で実践!簡単お手軽なヨガのポーズ
日常生活でヨガをすることが習慣になると、自らの感覚に磨きがかかり、小さな心や体の変化に気づくようになります。
いつも食べているものが美味しくないと感じた時は、働き過ぎているのかもしれません。
人と意見がぶつかるようであれば、何かに執着し、心のバランスを崩しているのかもしれません。
そのような状態に気づくニュートラルな感覚があれば、おのずと軌道修正できるようになるのです。
すなわち、本来の自然な状態=ニュートラルな状態に、いつでも戻れる安心感を得ることができます。
ここで一つヨガの代表的なポーズをご紹介します。
自然な呼吸で、体を傷めないように注意しながら行ってください。
血圧が高い方や、循環器系に問題のある方、眩暈持ちの方は専門家の指導を仰いでから行ってください。
ウッターナ・アーサナ
①立った状態で足を腰幅に開き、前屈を行います。
この時、注意したいのが腰に不安がある方です。
前屈する際に、決して腰から丸まらないようにしてください。
②お尻から頭までの背骨は自然なS字カーブを保ったまま、股関節だけを使って前屈していきます。
③ふくらはぎや腿裏に心地よい伸びを感じるところまできたら、ゆっくりと腰↑背中↑頭と前屈を深めていきます。
④あるところまで前屈したら、首と肩回りの力を抜いていきます。
腿の裏は伸びていますか。
首や肩回りに痛みを感じませんか。
体が硬くなっていると、背中の緊張を感じることもあるかもしれません。
鼻から自然な呼吸を数回繰り返したら、ゆっくりと先ほどとは逆の順に、体を戻していきます。
どうでしょう。
顔と頭の血流が良くなっていませんか。
たった一つのポーズではありますが、今までとは違う体の感覚を感じられると思います。
『デキる人は、ヨガしてる。 (Business Life)』 (クロスメディア・パブリッシング) |