メンバーのモチベーションを高めるためには、「褒める」ことも大切です。
日本人は海外の人たちと比べて褒めることが苦手ですから、言わなくてもわかるだろうと考えて「以心伝心」を期待しがちですが、何もメッセージを送らなければ、モチベーションの向上にはつながりません。
成果を出し続けている優秀なリーダーは、次のような二つの視点から、メンバーを上手に褒めて士気を鼓舞しています。
【視点①】メンバーの「能力」や「内面」に目を向ける
能力がゼロの人はいませんから、優秀なリーダーは能力やスキルに注目して、メンバーを褒めています。
能力を褒めるとは、目に見える結果だけでなく、その人の本質や内面にも目を向けて、それを評価するということです。相手が持っている本質的な能力の高さを褒めると、相手は無条件に喜んでくれて、気分も上がります。
仕事でメンバーが大きな成果を出すと、リーダーはその成果ばかりに注目しがちですが、メンバーのスキルや行動力の高さに目を向けることが大切です。
表層的な部分ではなく、相手の中身を褒める方が、圧倒的に相手をいい気分にさせることができるのです。
【視点②】成果だけではなく「プロセス」を褒める
「プロセス」を褒めるとは、成果だけを褒めるのではなく、その成果を出すまでの取り組み方を褒めるということです。
現代のビジネスはジョブ型や成果主義の方向に進んでいますから、出した結果が評価の対象になりますが、それだけを褒めたのでは、メンバーの気持ちは上がりません。
評価とは別に、日常的な仕事と向き合う姿勢を認めることが、メンバーのエネルギーを高めることになります。
ダイエットに成功した人に対して、「すごく痩せたね」と褒めるだけでなく、ダイエットを継続できる忍耐力や努力にも目を向けて褒めれば、二重三重に相手を喜ばせることができます。
目に見えるものではなく「内面」、成果だけではなく「プロセス」を褒めることを意識すると、メンバーは「自分を見てくれている」と感じることができます。
その安心感が「自己肯定感」や「自己効力感」を高めることになり、仕事の初速を早めることにつながります。

【視点③】「存在承認」と「行動承認」を心がける
リモートワークの浸透によって、メンバーの「孤立感」が問題になっています。
孤立感が深刻化すると、「自分は必要のない存在ではないか?」と感じ始めて、どうしても自己否定の方向に気持ちが傾いてしまいます。
こうした孤立感を取り除くことも、リーダーの大事な役目です。
そのポイントは、「存在承認」と「行動承認」の二つにあります。
存在承認とは、「あなたが私のチームにいてくれてよかったよ」、「あなたがいるから、本当に助かっている。ありがとう」という気持ちをメンバーに伝えることです。
行動承認とは、成果だけを褒めるのではなく、行動実験を繰り返して、成果に結びつけた行動力を評価することです。
失敗を恐れず、行動実験を繰り返す勇気を讃えることによって、メンバーはポジティブな気持ちで仕事と向き合うことができます。
『仕事は初速が9割』(著:越川 慎司)より
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