「体の調子がいいです」と自信を持って言える人はどれくらいいるでしょうか? 医者として多くの患者さんの話を聞いたかぎりでは、体のだるさ、眼精疲労、肩こりなどを訴え、何らかの不調を抱えている人がほとんどです。
多くの時間を室内で過ごし、長時間座っていることを求められている現代人は、体調をコントロールすることが非常に難しくなっていると言えます。
何も特別な対策を意識しなければ、食事はコンビニでの弁当やスナックなどで簡単にすましてしまいますし、運動するための時間、睡眠時間を確保しない生活を繰り返すことになります。若いうちは細胞の回復力が高いため、それでも体は動きますが、年齢を重ねるとそうはいきません。
体は年々回復する能力を失っていきます。
細胞の中ではエネルギーを生み出すために糖、アミノ酸、脂肪酸などを燃焼させてATPというエネルギーを作り出します。このATPをつくる段階で活性酸素が発生します。
この活性酸素は白血球などで細菌やウイルスを殺傷するために利用されますが、過剰にありすぎると細胞のDNAを損傷してしまいます。
そのため活性酸素を適量におさえるために、活性酸素が発生した瞬間に体内の抗酸化物質(グルタチオンなど)や抗酸化酵素(SOD スーパーオキシドジスムターゼなど)が活性酸素を処理します。抗酸化物質が不足して酸化ストレスが増加すると、脂質、たんぱく質、DNAの変性が起こり、最終的にミトコンドリア機能の悪化と細胞死を引き起こします。
年齢を経るにつれて、この抗酸化物質の中和効果が衰えていきます。すると、相対的に細胞にダメージを与える活性酸素をすぐに処理できなくなり、細胞の劣化が進むことになります。
アンチエイジングのための食べ物

慢性的な体のだるさ、むくみ、頭が冴えないという症状は細胞劣化のサインが体に表れている状態です。この状態では体のいたるところで慢性的な炎症が起こっています。慢性の炎症が高血圧、糖尿病、高脂質血症、がん、認知症の原因となるわけですが、実際に病気として表れる前に10年から20年の“目に見えない”状態で体がじわじわと燃えています。
この燃えている状態にあると、何だか調子が悪いなという、ちょっとした異常を感じるわけです。さらに、抗酸化物質が不足している状態で普段から生活していると、免疫力にも影響します。
アンチエイジングという言葉をよく聞くようになりましたが、このエイジング(老化・劣化)を止めるためには、抗酸化物質が体の中で効率的に働けるようにしてあげることが必要です。そのためには抗酸化物質を食品から意識的に摂取して抗酸化物質を体内に増やすことはもちろんですが、抗酸化物質を浪費しないようにしてあげなくてはいけません。
では、普段からできる抗酸化対策とは何でしょうか? 最も簡単かつ重要な対策は「何を食べるか?」をしっかり考えることにつきます。活性酸素を除去する成分は、様々なスパイス、ハーブ、果物、根菜類、野菜に含まれていますので、それらを意識して摂ることから始めます。
代表的な抗酸化物質であるビタミンA(ニンジン、カボチャなど緑黄色野菜に含まれるβ–カロテン)、ビタミンC(ピーマン、キウイ、オレンジなど)、ビタミンE(アーモンド、アボカド、オリーブオイルなど)を豊富に含む食品を摂取することを意識してみてくださ
『不調を治す 血糖値が下がる食べ方』(著:石黒 成治)より
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