「はたらく人のコンディショニング事典」(著:岩崎一郎、松村和夏、渡部卓)より
食べても太らない体になりたい!
なるべく健康的なものを食べたいけど、忙しくて食事にまで気を遣えない。
ダイエットのために食事制限したいけど、付き合いでの食事が多くてなかなか実行できない。
太るのは分かってるけどなかなか食生活を変えられない…できることなら、いくら食べても太らない体になりたい……そんな風に思う人も多いのではないでしょうか。
でもそんな都合のいい話あるわけない。そうお思いですか?
実は、そんな都合のいい話、あるんです。
秘密は「基礎代謝」
「食べても太らない」という理想の体を作ることは可能です。
そのわけは、人のエネルギー消費のメカニズムにあります。
人が一日に消費するエネルギー(代謝)は、「生活活動代謝」「食事誘導性熱代謝」「基礎代謝」の3つに分けられます。
「生活活動代謝」⋯⋯仕事や運動など体を動かすことで消費されるエネルギーのこと。
「食事誘導性熱代謝」⋯⋯文字通り食事中や食後に体温が上がったり汗ばんだりといった食事という行為によって消費されるエネルギーのこと。
「基礎代謝」⋯⋯脳や心臓、消化器官など意識とは関係なく常に動かし続けなければならない部分を動かすための、生命維持に必要なエネルギーのこと。
注目すべきは「基礎代謝」。
何もせずただ横たわりボーっとしているだけでも、人は「基礎代謝」として生命維持のためにエネルギーを消費しているというわけです。
しかも、「基礎代謝」が 1 日に消費する総カロリーに占める割合は、なんと約6~7割。
つまり、食べても太らない体をつくるには、「基礎代謝」を上げることが近道なのです。
歳を取れば太るのは必然!筋肉をつけよう
基礎代謝を手っ取り早く上げるには、筋肉をつけることです。
筋肉は「基礎代謝」のなかで最も消費量が多く、全体の 4 割を消費していると言われているため、筋力を上げれば筋肉量も上がり、太らない体が手に入るのです。
筋肉量は 20 ~ 30 代をピークに1年に1%ずつ減っていくものなので、同時に基礎代謝量も減ってしまいます。
何もしていなくても消費されるエネルギー量が減るということは、自然と太りやすくなるということ。
人は生まれながらにして歳をとれば太りやすくなる生き物なのです。
働き盛りのビジネスパーソンが感じる「昔に比べて太りやすくなった」という感覚は、ある意味当たり前のことと言えますね。
筋力UPのコツ筋肉は、普段からちょっとした運動の習慣や食事などを工夫するだけでアップします。
例えばウォーキング。
筋肉で脂肪を燃やすときには酸素が必要なので、筋肉を適度に刺激しながら酸素を供給するウォーキングなどの有酸素運動は、筋肉をつくり代謝を上げるのに最適です。
他にもジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリング、ハイキングなどが有酸素運動の代表例として挙げられますが、ジョギングは特別な道具なしで手軽に始められるのでおすすめです。
目安としては1日 20 分以上、週3回以上行うとより多くの効果を得ることができます。
生活の中で運動しよう
忙しくて運動の時間がとれないという場合は、生活の中で動く工夫を取り入れるのがいいでしょう。
自宅に帰る際に最寄の一駅手前で降りて歩いて帰る、エスカレーターの代わりに階段を利用するなど、歩く時間を増やしていくのです。
また、普段からテキパキとこまめに動くようにしたり、姿勢を良くするだけでも代謝は上がります。
どれもちょっとしたことですが、意識を変えれば確実に体は変わっていきます。
筋力を増やすと全身が引き締まりゆがみも解消されるので、単に太りにくくなるだけでなく、美しいボディラインをつくることができます。
行動も機敏になり、疲れにくい、エネルギッシュな毎日を過ごすことができるでしょう。
さらに、肉体的に充実すると精神的にも良い影響が。
人間関係にも前向きになり、仕事にもやる気が生まれます。
こんなにたくさんの効能があるのに筋肉をつけない理由はありません。
さぁ、今すぐ筋力UP生活を始めましょう。
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