「自分を変える習慣力」(著:三浦将)より
「グルテンフリー」で食習慣を変えてみませんか?
かなり具体的な食の習慣として、糖質の過剰摂取を避けるという点をご紹介します。
最近では、テニスのトッププレイヤー、ノバク・ジョコビッチの食事方法の改善による躍進が話題になっています。
かつてジョコビッチは、2008 年にグランドスラムタイトルである全豪オープンを制した後も、今 1 つ調子に乗り切れずにいました。突然の体調不良が度々起こり、試合中に倒れることもしばしば。
その原因が「グルテン不耐症」という一種のアレルギー反応でした。
こんなこともあり、トップの一角には食い込みつつも、大事なところでもろさを露呈する場面が多くみられる状態が続きました。
グルテンはタンパク質であり、小麦や大麦、そしてライ麦など、麦類に多く含まれます。
グルテン不耐症であると、グルテンを摂取することにより、慢性疲労や偏頭痛などが起こり、ひどい場合は、めまいを感じたり、平衡感覚がおかしくなったりします。さらには、不安や鬱などの精神疾患を促進する場合もあるといいます。
グルテンは、パン、パスタ、ラーメン、うどん、揚げ物、ビールなど、小麦、大麦、ライ麦を含む料理に含まれることから、ジョコビッチはその食生活を、これらを摂取しないいわゆる「グルテンフリー」の食生活にガラリと切替えました。
そして、その後は、体調不良に悩まされることもなく、高いレベルでの安定したプレーが続くようになりました。
以前に見せていたもろさはどこへやら、今では盤石の強さを見せる世界の頂点へと登り詰めたのです。
2015 年には、全豪オープン、ウィンブルドン、全米オープンの 3 つのグランドスラムタイトルを獲得するなど、ライバルの中でも、頭 1 つ抜けた強さを見せています。
グルテンフリーの食生活がすべての人によって良いかどうかはわかりませんが、慢性疲労や偏頭痛などで悩んでいる方は、3 週間ほどグルテンを極力摂らない期間を設けてみるのもありでしょう。
そして、体調が良くなることを実感したら、グルテンの摂取を抑えた生活を持続していくというやり方も考えられます。
「自分を変える習慣力」の著者、三浦将さんの友人も、このグルテンフリーでの体調の違いを顕著に感じた、と話す人がかなり多いのが事実だそうです。
短い期間でも、一度その体調の差を実感として経験すると、自然とグルテンの摂取を抑えるような生活になっていくでしょう。
実際、ラーメンやビールが大好きという方も多いと思うので、「全く食べない」とハードルを高くするのではなく、3 分の 2 でも半分でも頻度を減らす習慣を身に付けていくというのもおすすめです。
この場合も、グルテンを減らす期間を 2,3 週間設けて、違いを実感してみてください。
これは、ダイエット効果も同時にかなり期待できる習慣です。
糖質の過剰摂取は中毒状態?!
次は、糖質全体の影響についてです。
先ほどのグルテンも、糖質の成分中に含まれます。砂糖、ご飯、パン、ケーキ、クッキーなどは、私たちの食生活の中に頻繁に登場します。そして、これらのもの、特に甘いものを食べると、何とも言えない幸せな気分になります。
これらを摂取することにより、脳内において、「快楽ホルモン」と呼ばれるドーパミンが分泌されるからです。
食事をして幸せな気分になる、とても大事なことですね。
ケーキを食べて、思わず「ああ、幸せ」という言葉が出てくるのも、そのときこのドーパミンが脳内を巡っているからです。
一方、人は元来どん欲にできているので、ドーパミンが出ると「もっともっと」という状態になります。ですので、ケーキやクッキーを食べて、快楽を味わうと、「もっともっと」とさらに欲しくなります。
このように「やめられないとまらない」状態になるのは、あなたのせいではありません。ドーパミンのせいなのです。
ご飯やパンやパスタなど、糖質を多く含んだ食事の場合も同様です。表現がちょっと過激かもしれませんが、これは一種の中毒状態と言えます。
実際に、これら糖質には常習性のあるエクソルフィンという成分が含まれていることから、これまたついつい手を出しがちになってしまうのです。
糖質を過剰摂取してしまったらどうなるの?
この糖質を過剰摂取した場合、言葉は悪いですが、一種の中毒性や常習性があるがゆえ、意識しない間に過剰摂取をしがちなのがこの糖質。飲んだ後の締めのラーメンも、その 1 つです。
糖分を過剰摂取をすると、まずは肥満の原因となります。ご飯の大盛りや、ラーメンの大盛り、ついつい注文しがちになりますが、これが続くと過剰摂取が起こります。
糖分をたくさん含んだスイーツも、ドーパミンとエクソルフィンなどの影響で、過剰摂取気味になってしまいがちです。また、過剰摂取が日常化すると、糖尿病、脳卒中などの発生率を高めることにもつながります。これらの恐ろしさは、みなさんが感じているところでしょう。
さらには、米や、小麦、砂糖などの糖分を摂取すると、血糖値が上がっていきます。ちなみに、白い砂糖、白いご飯、白いパンなど、精製度の高い白い糖類ほど血糖値を上げやすく、栄養価が低いと言われています。
血糖値が急激に上がると不都合があるので、これを下げるために、インスリンというホルモン成分が分泌されます。
これは至って正常な体の生理です。しかし、糖質を過剰摂取していると、インスリン分泌のコントロール機能に狂いが生じやすく、インスリンの分泌が過剰に行われるケースも出てきます。
こうなると起こるのが、いわゆる低血糖状態です。
低血糖状態になると、体のけだるさ、脱力感、生あくび、頭の重さなどが現れ、その結果、やる気の減退、集中力の欠如、思考力の低下、感情のコントロールを失って怒りっぽくなるといった症状が出てきます。
これらは、仕事や勉強の効率に著しくマイナスの影響を与えるものです。
また、症状がひどくなると、目の焦点が定まらず、頭がフラフラしたり、めまいがしたりして、通常の生活にも支障をきたすまでになります。
甘いものには要注意!!
甘いものは、ショ糖と呼ばれる白い砂糖を多く含みます。精製度の高いショ糖は、特に急激に血糖値を上げるので、インスリンの過剰分泌を誘発し、今度は急激に血糖値と体温を下げることで、短時間に低血糖状態をもたらします。
「疲れたときは、甘いものをとるといい」ということが言われますが、甘いもののとりすぎは、逆に疲れやすさの元になり、空腹感もつくることから摂取過剰の原因にもなります。
糖分、特に甘いものの摂取を抑え、血糖値を1日中安定したレベルに保つ食生活を送ることは、体調管理の質を上げていくことにつながります。
シンプルに言うと、低血糖状態になることを避けるための習慣を身に付けることが、ここでの提案ポイントです。
特に精製度の高い、ショ糖などの白い糖質食物を極力取らない習慣を心がけていきましょう。
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