「デキる人は、ヨガしてる。」(著:石垣英俊、及川彩)より
ヨガをなぜ始め、続け、そして伝えるのか。「デキる人は、ヨガしてる。」の著者2名によって、ヨガのエキスパートにインタビューを行いました。
お話を伺った人:野沢和香さん
モデル。2015 年ベスト・オブ・ヨガミューズを受賞。
―ヨガを始めたきっかけについて、お聞かせいただけますでしょうか。
こんなことをいうと、引かれてしまったりもすると思うのですが、正直、最初は生活のためでした(笑)。モデルをしていて20代後半を迎えた頃、一気に仕事が減ったんですね。20代前半の若い子たちも次々に出てきますし、「このままではヤバい!」と思って。何か資格がほしいなと色々トライしたのですが、その中で、ヨガが自分に合っていると感じたんです。ヨガは長く続けられるものですし、世の中にもヨガは末永く必要とされていくものだろうな、とも思いました。だから、最初にヨガを始めたのは、生活のためですね(笑)。
―そうだったのですね。ヨガを始めてから何か「変わった」ことはありますか。
そうですね、ヨガ関係のお仕事をいただけるようになって、もちろん経済的にもありがたかったですし、体にも良いことは沢山あったのですが、一番はメンタルのバランスがとれるようになったことです。それまでは仕事が減っていくことでいちいち落ち込んでいたのですが、ヨガを始めてからは、「自分ができることはやる」、だけど、「自分の手の届かない範囲のことは心配しない」という、良い意味で「まあ、いっか」精神がついたというか、物事を受け入れられるようになったんです。苦しみが減って、バランスがとれるようになったということですかね。
―なるほど。野沢さんはモデル業をされていますが、ヨガを始めてから美容面やモデルとしての仕事の面でも、良かったことはありますでしょうか。
むしろ悪いことは何もなかったですね。ヨガを始める前はサーフィンをずっとやっていたんです。水中で行う運動ですし、体質的にも筋肉がつきやすいみたいで、体も少しガタイが良い感じだったんです。Tシャツとかニットがあまり似合わなくて。それが、ヨガを始めてからは体が締まって、モデルとしてのポージングや姿勢という面でもプラスになりました。
食欲のコントロールという点も、変わりましたね。それまではただ痩せなきゃとダイエットをしては、リバウンドをして、というサイクルを繰り返していたんです。「野菜は沢山食べなきゃいけない」「お肉は食べてはいけない」など、やってはいけないことを色々決めていて。それがストレスになっていたんだと思います。ヨガを始めてからは、体が求めているものがあるのなら、与えてしまって、1週間や2週間という長いスパンでバランスをとれば良い、と考えられるようになりました。そうすると、ストレスも自然になくなって、逆にすごく痩せたんです。
―モデル業という仕事の面でも、ヨガの恩恵が沢山あったのですね。私たちもビジネスパーソンに向けて、もっとヨガの智慧を伝えていきたいと思っているのですが、その点についてはどのように思われますでしょうか。
身近なところで言うと、父がストレスを抱えながらも文句も言わずひたすら一生懸命に仕事をしていた様子を見てきているので、仕事上での責任も大きくなる働きざかりの男性などに、特にヨガをやっていただきたいと思いますね。女性でも、ビジネスの第一線で活躍されている方など、是非やっていただきたいと思います。真面目な方ほどストレスがあっても周りに出さないですし、ぜひそういう方の頭の休暇として、瞑想だけでもヨガを取り入れていただけたらいいなと思います。
私も仕事でイベントの前などは緊張するのですが、ヨガを始めてからは、緊張していても、いつもの自分に戻ってこられるという感覚があります。ビジネスパーソンの方もプレゼンテーション前など、緊張する場面が多々あると思うので、そういった面でも、ヨガを実践されると良いことは沢山あると思います。
―そうですね。先ほどのお話の中で、ヨガを始めてから「バランスがとれるようになった」との言葉がありましたが、野沢さんから見て「バランスが良い」と感じられるのは、どのような方でしょうか。
向上心は持ちながらも、今の自分に満足されている方ですね。皆さん仕事でもそれ以外でも、叶えたいことがあって、そこに向けて日々頑張っていらっしゃると思うのですが、かといって、それにとらわれていない。そういった方はバランスがとれていて「素敵だな」、と思いますね。
―私たちも日常でそのようなバランスの良い方に接すると、ヨガ的だな、と感じます。
そうですよね。一生懸命取り組みながらも、結果には執着していないというか、苦しそうじゃない!楽しそうなんですよね。いつも楽しそうにされている方には憧れますね。
―ありがとうございます。最後に、野沢さんにとってヨガとは一言でいうと何でしょうか。
揺れても戻ってこられる、間違っても戻ってこられる、というバランス力ですかね。
野沢和香 Waka Nozawa
モデルとして雑誌『VERY』『yoga journal』でもお馴染み。心も体も自分で整え、癒せるヨガの魅力に感動し、マック久美子のもとイシュタヨガを学び、2007 年にヨガアライアンス資格を取得。ヨガインストラクターとしても活動をはじめる。イシュタ、陰ヨガなど様々なスタイルのヨガを学び、スタイルにとらわれない、日々の生活に活かせるヨガを提案している。2015 年ベスト・オブ・ヨガミューズを受賞。著書『体と心の不調を解決 ! 1日 5 分おうちヨガ LESSON』、『YOGA BEAUTY BOOK』も好評発売中。
『デキる人は、ヨガしてる。 (Business Life)』 (クロスメディア・パブリッシング) |