仕事ができる人は「栄養のバランス」を考えている!
ハードワークでも疲れない頭、スリムな体をつくる基本は「適正な食事量」。しかし、それだけでは不十分です。たとえば、極端な糖質制限のように、食事の量は適正でも、ひとつの栄養素を減らすと、頭がうまく働かなかったり、心筋梗塞などの病気になるリスクを高めてしまいます。つまり、「栄養のバランス」も重要というわけですね。当然、仕事のパフォーマンスを大事にする人は、このことを十分に心得ています。
バランスのよい食事が重要な理由
栄養バランスが重要と聞いても、「そんなことはわかってるよ!」「当たり前でしょ」という人も多いと思います。ではなぜ、栄養バランスのよい食事が必要なのか、その理由を知っている人はどのくらいいるでしょうか。
実は、食事のカロリーが同じでも、そこから得られる栄養素の違いによってパフォーマンスは大きく変わってきます。摂取する栄養素の違いによって、仕事のパフォーマンスが上がったり下がったりする理由を考えていきましょう。
仕事をするにはまずエネルギーが必要!エネルギーをつくるしくみ
仕事をするにも運動するにも、人の体を動かすにはエネルギーが必要。そのエネルギーの元となるのが食べ物です。食べ物に含まれる栄養素のうち、炭水化物・たんぱく質・脂質は「三大栄養素」と呼ばれています。私たちはこれらの三大栄養素をエネルギーに変換して活動しています。この、栄養素からエネルギーをつくり出す一連の過程を「代謝」といいます。
しかし、三大栄養素だけがあっても代謝は効率的に行われません。代謝でエネルギーを生み出すには、「酵素」と「補酵素」という物質が必要なのです。
代謝に関わる酵素は、たんぱく質(アミノ酸)から体内で合成されます。これは、肉や魚、乳製品などからとることができますね。一方、補酵素となるのは、食事からとれるビタミンやミネラル。野菜に多く含まれているビタミンやミネラルですが、これらは体内では合成できません。そのため、食事から入ってくるビタミン・ミネラルが不足すると、効率的にエネルギーをつくり出すことができなくなってしまいます。その結果、体は「代謝が悪い」状態に。そして、エネルギーとして使われなかった炭水化物やたんぱく質、脂質は、体内に蓄積され、肥満の原因になってしまいます。
つまり、カロリーだけ意識した食事をしていると、代謝を促し、スリムな体をつくるのに必要な栄養=「痩せ栄養素」が不足する可能性があるということ。どうせ同じカロリーを摂取するなら、パフォーマンスを最大化する食事のほうがいいに決まっていますよね。できる人は、常に「効率」を考えて行動するので、食事をとるときも「効率」を考えます。できる人は、カロリーだけでなく、栄養にも目を向けているのです。
仕事のパフォーマンスを上げたい!バランスのよい食事とは?
それでは、栄養バランスのよい食事とは、いったいどのようなものなのでしょうか。一番簡単なのは、「一汁三菜」を基本とすること。これは、主食・主菜(肉や魚)・副菜(野菜のおかず)・汁物がそろった定食スタイルの食事のことです。そうすれば、主食から炭水化物、主菜からたんぱく質や脂質、副菜や汁物からビタミンやミネラルと、必要な栄養素を摂取できます。
実際に、和定食(ごはん・煮魚・サラダ・おひたし・味噌汁)と牛丼並盛りの栄養素を比べてみましょう。和定食も牛丼並盛りも、だいたい同じくらいのカロリーです。しかし、野菜たっぷりな和定食に比べて、野菜の少ない牛丼ではビタミンやミネラルが少なく、ビタミンやミネラルの摂取量には大きな差が。ビタミンやミネラルのとれる和定食のほうが、「パフォーマンスを上げる食事」であることは明らかですね。
栄養バランスのよい食事で「仕事ができる人」に
いかがでしたか?仕事のパフォーマンスを上げたい人は、「一汁三菜」を基本とし、栄養バランスを考えた食事をとるようにしましょう。「忙しくてコンビニのごはんになっちゃう」といった人も、おにぎりやパスタに、肉や魚をメインにしたお総菜、サラダや野菜スープなどをプラスするとバランスがよくなりますよ。栄養バランスのよい食事をしっかりとって、「仕事ができる人」を目指しましょう。
「なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?」(著:道江美貴子)より
記事の内容を知りたい方はこちらの本をお読みください。
『なぜあの人は、 夜中にラーメン食べても太らないのか? (Business Life 3)』 (クロスメディア・パブリッシング) |