日本のビジネスパーソンには、「やる気」と「モチベーション」を混同して考えている人が少なくないように思います。
やる気とは、行動を起こす前の段階で、自分の欲求を満たしたいと思う瞬間的な感覚のことを指します。それに対して、モチベーションとは、行動を起こしてから継続的に自分の欲求を満たそうとする気持ちを指しますから、モチベーションとは、やる気の延長線上に存在するものなのです。
私の会社で実施した815社、17万3000人のビジネスパーソンに対するアンケート調査によって、モチベーションは大きく3つに分類できることが明らかになっています。
分類1〈仕事を始める前からやる気満々の「前モチ」〉
仕事に対する意欲にあふれて、作業を始める前からモチベーションが高いのが「前モチ(ベーション)」です。
少し疲れ気味の人が多いようですが、何ごともポジティブで前向きに考え、常にやるにに満ちているため、初速も早くなる傾向があります。
分類2〈「目標設定」によって、モチベーションが高まる「差モチ」〉
自分の目標とか理想に向かって、現実とのギャップを埋めるために動くのが「差モチ」です。
「英検の資格を取りたい」という目標を掲げたら、その資格を持っていない現在の自分とのギャップ(差)を埋めようとする思いがモチベーションになるタイプです。
このタイプの人は明確な目標を設定することによって、モチベーションを高めることができます。
分類3〈「作業興奮」でモチベーションが高まる「後モチ」〉
最も多いのが、いざ仕事に手をつけたら「作業興奮」によってモチベーションが高まってくる「後モチ」です。
最初はやる気がなかったり、モチベーションが低い状態でも、実際に仕事を始めてしまえば、意外とノッてきて作業がスイスイと進むタイプで、多くの人はこのモチベーションタイプのようです。そして、成果を出し続けている人のほとんどもこのタイプに属しています。
とにかく何かを始めてみる

1.2万人のアンケート調査によって、モチベーションというのは、作業興奮によって最も高まりやすいことがわかっています。
モチベーションが高まってから仕事を始めるとか、モチベーションが降りてくるのを待つのではなく、どんな小さなことでもいいから、とにかく何かを始めることによって、モチベーションが高まります。
そのきっかけをつくってくれるのが、「ルーティン」を持つことです。
何か特別な行動をするわけではなく、「出社したら、コーヒーを飲んで、トイレに行ってから仕事を始める」とか、「パソコンの電源を入れる前に、観葉植物に水をあげる」など、普段やっていることに新たな習慣をプラスしてルーティン化をするのです。
手を洗うことでも、パソコンの電源を入れることでも、どんなことでもいいから自分のルーティンをつくって仕事に取りかかってしまえば、モチベーションは後からついてきます。
自分が「前モチ」や「差モチ」タイプではないと思うならば、次のようなシミュレーションが役に立つと思います。
①自分にとって無理のない「ルーティン」を持つ
↓
②スムーズに仕事を始めることができる
↓
③仕事を始めると、「作業興奮」によってモチベーションが高まる
↓
④モチベーションが高まって、作業がスイスイと進む
↓
⑤自然と「初速」が早くなる
モチベーションとは、湧いてくるのを待つものではなく、自分の工夫によってつくり出すものです。何らかのルーティンを作って、仕事を始めることを「仕組み化」してしまえば、モチベーションは後から高まってきます。
それが、成果を出し続けるための「最速の近道」になります。
『仕事は初速が9割』(著:越川 慎司)より
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