「なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?」(著:道江美貴子)より
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「低カロリーな食品」ばかりではダメ。適正エネルギーをとる必要性とは?
ダイエットを意識したときに、よくいわれるのが「1日に必要なカロリーを守ること」。ダイエットによいとされる「低カロリーな食品」も多く紹介されていますよね。
しかし、何も考えずに、低カロリーな食品ばかりをとるのは、かえって健康を損ねてしまうおそれもあります。仕事をするにしても、運動をするにしても、体を動かすにはエネルギーが必要。低カロリーな食品ばかりを食べていては、このエネルギーが十分に作られません。
その結果、仕事をしていてもうまく頭が働かなくなり、効率的に仕事をこなすことができなくなってしまいます。
簡単に必要カロリーを計算!自分の適正エネルギーを知ろう
本格的に食生活を見直して、仕事のパフォーマンスを上げようと思ったら、まず、やるべきなのが自分の「適量」を知ること。1日に必要な適正エネルギー量がどれくらいかを知っていれば、それを目安に食事量を決められるので、知らないうちに食べ過ぎていたということはなくなります。
適正エネルギー量は、体重・性別・年齢・日常生活活動の状況によって異なりますが、次の式で求めることができます。
適正エネルギー量(kcal)
=体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal/kg/日)
×身体活動レベル
ここで、わかりにくいのが「基礎代謝基準値」と「身体活動レベル」。実は、これらは決められた数値があります。次の表を見て、年齢と性別ごとに異なる基礎代謝基準値と、自分の身体活動レベルに該当する数値を選んで、計算してみてください。
身体活動レベルの目安は次のようになります。
・身体活動レベルが低い(レベル1)
デスクワーク中心で、あまり動かない生活をしている。
・身体活動レベルが普通(レベル2)
デスクワーク中心ではあっても、定期的に運動をしている。または、立ち仕事をしている。
・身体活動レベルが高い(レベル3)
立ち仕事の中でも「重い荷物を運ぶ」「頻繁に走る」など活動量が多い。または、普段からスポーツなどの活発な運動をしている。
減量を目指している場合は、先ほどの計算式に目標体重をあてはめて、適正エネルギー量を求めてみましょう。あなたのダイエットに適したエネルギー量が求められます。
目標体重をどのくらいに設定すればよいかわからないという人は、身長に合わせた標準体重を参考に。標準体重は、「身長(m)×身長(m)×22」で求めることができます。
あなたの必要なカロリーは何kcal?実際に「適正カロリー」を計算してみよう!
それでは、実際の計算例を見ていきましょう。
1.身長170cm・35歳・身体活動レベル「普通」の男性が、標準体重を維持する場合
身長170cm(=1.7m)で35歳、身体活動レベル「普通」の男性が標準体重を維持する場合を考えましょう。
まず、目標体重を求めます。目標となる標準体重を求める式、「身長(m)×身長(m)×22」に、身長1.7mをあてはめると、
1.7×1.7×22=63.58(kg)
つまり、目標体重は63.58kgになります。
次に、適正エネルギー量を求めます。先ほど求めた目標体重(63.58kg)と、35歳男性・身体活動レベル「普通」の人の、基礎代謝基準値(22.3kcal/kg/日)、身体活動レベル(1.75)を、「適正エネルギー量(kcal)=体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal/kg/日)×身体活動レベル」という式にあてはめると、
63.58×22.3×1.75≒2481(kcal)
したがって、適正カロリーは約2481kcalとなります。
2.身長158cm・28歳・身体活動レベル「低い」の女性が、標準体重を維持する場合
身長158cm(=1.58m)で28歳、身体活動レベル「低い」の女性が標準体重を維持する場合を考えましょう。
まず、目標体重を求めます。目標体重を求めるには、標準体重を求める式、「身長(m)×身長(m)×22」に身長1.58mをあてはめます。
1.58×1.58×22≒54.9(kg)
つまり、目標体重は約54.9kgになります。
次に、適正エネルギー量を求めます。先ほど求めた目標体重(54.9kg)と、28歳女性・身体活動レベル「低い」の人の、基礎代謝基準値(23.6kcal/kg/日)、身体活動レベル(1. 5)を、「適正エネルギー量(kcal)=体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal/kg/日)×身体活動レベル」という式にあてはめると、
54.9×23.6×1.5≒1943(kcal)
したがって、適正カロリーは約1943kcalとなります。
自分の「適正カロリー」を知って、無駄のないダイエットしよう!
適正エネルギー量を把握していれば、コンビニのお弁当やファミリーレストランのメニューに書かれたカロリー表示などを参考に、どれをどのくらい食べたらよいか、調整しやすくなります。そうすると、無駄なカロリーをとらなくてもすむようになりますね。また、適正カロリーは、「これくらいは食べないと、動けなくなる」という指標でもあります。単に低カロリーな食品ばかりを食べていては、栄養も本来必要なカロリーもとれなくなり、無駄な食事となってしまいますね。
このように、適正カロリーを知ることは、無駄のないダイエットをするために必要なこと。計算式も簡単ですし、計算は一度だけなので、ぜひやってみてくださいね。
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