MENTAL

当たり前の空間の存在に感謝。掃除で心も浄化する

あなたは掃除をどのような気持ちでしますか? 多くの人にとって掃除は「面倒な仕事」「非日常な行為」であり、「しなければいけないこと」=タスクになっているのではないでしょうか?

掃除をすると決めたのなら、まず呼吸を整えて、その場所を眺めてみましょう。ゴミやホコリを見つけましたか? そのよごれを、これまであなたは認識していましたか?

思っていた以上によごれていたと感じるかもしれません。日々忙しくて時間に追われていたのなら、ホコリには気づいていても、見て見ぬふりをしていたかもしれません。

「嫌なことはすぐに済まそう」なんて焦ることなく、まずは掃除すべきところをゆっくりしっかり見ましょう。よごれていたことに気づいたら、「これまでありがとうね」という気持ちで取り組んでみましょう。

それから、当たり前の空間の存在に感謝してみましょう。これには、ストレスを軽減させる作用があります。なぜなら、普段の生活では無意識になっている、当たり前のものに対する感謝が現れるからです。場所にも人間にも、用意された当たり前などありません。

当たり前の存在に対する感謝の気持ちがないと、自分にないもの、自分が劣っていることばかりに意識が向くようになり、それは不安や葛藤につながります。強いストレスになります。

掃除は、当たり前の存在に対して無意識に過ごしてしまっていることに気づく、よい機会です。「ここは自分が使う場所として当たり前にあるのではない」という感謝の気持ちを持って取り組みましょう。

当たり前のようにあることは、それだけ当たり前のようにあなたを支えてくれていたのです。そのようなものにこそ「ありがとう」の気持ちを向けてみましょう。

掃除中は、今行っている動作に意識を向けましょう。床をふいている時の手の感覚、きれいになっていく変化、掃除した場所の光の反射などを感じてみましょう。次にやるべきことなどは忘れてください。

掃除は、その実践を通した中で心の変化を感じ取れるプロセスです。掃除をしている手や雑巾は汚れていくでしょう。しかし、あなたの心はどうでしょうか?だんだんすっきりしていくでしょう。心地よさや晴れやかさを感じる時もあるでしょう。

きれいになっていく変化とともに心の変化に気づくはずです。その集中の実践は、仕事においても応用できます。

トイレ掃除は無心の入口

掃除が嫌いで苦痛になる人もいるかもしれません。そんな自分を否定することは無用です。そのような気持ちでも、掃除という行為に自分が最大限向き合えたということを認めましょう。

誰かが自宅を訪問してくる時、あなたは優先的にどこを掃除するでしょうか? 大半の答えは「玄関」ではないでしょうか。玄関には、家人の気持ちが現れます。靴がきちんとしまわれ、すっきりとしていて、塵がない玄関には「歓迎」の気持ちを感じるでしょう。

そしてもう一つ優先するならトイレです。

家のどこかを掃除しなければならない時、できれば他の誰かにやってもらいたい場所はどこでしょう? その答えとして、トイレが最有力になるでしょう。

トイレは「不浄」とも呼びます。この漢字が示す通り、トイレは「清浄ではない場所」です。排泄をする場所ですから当然でしょう。しかし、清浄ではなくても、「清潔」を保つことはできます。誰もがやりたくないことを「当たり前のように自分がやる」、これが無心の入り口です。

自分の立場が上だからとか、立場が下だからという理由など、掃除にはありません。「やるかやらないか」という選択肢も、そもそもありません。理由も選択肢もないからこそ、無心になれるのです。

『ZEN、集中、マインドフルネス』(著:大竹 稽)より

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