MENTAL

マインドフルネスでリラックスと集中という相反する効果が得られる理由

こんにちは、プロボディデザイナーの松尾伊津香です。

 

マインドフルネスの効果として
ストレス軽減、睡眠の質改善、というリラックスや弛緩効果もあれば
集中力向上という(良い意味での)緊張効果も認められています。

同じことをしているのに、リラックスと緊張の両方の面の効果が認められているってどういうこと?

この一見矛盾する効果の理由を説明していきます。

その名もトンボ理論。

 

 

マインドフルネスや瞑想は1900年後半から研究が盛んに進められ、
実際に私たちにより良い効果をもたらしてくれるというエビデンスが多く認められるようになりました。
インターネットのおかげでそれが広く知れ渡るようになったからこそ、
多くの方がまずは「効果を期待して」始められると思います。

マインドフルネスの継続で期待できる効果は
・睡眠の質改善
・リラックス効果
・集中力向上
・冷静な意思決定能力の向上
・ストレス低減
・感情のコントロール
など、人により悩みや課題はそれぞれですが、
共通するのは「悩んでいるけれども解決が難しい」という曖昧さを含んでいる点です。
だからこそ、これらを改善させることは生活の質を向上に繋がります。

しかし、ここで一つ疑問が。
同じことを行っているのに、なぜリラックスと集中は反対の状態がもたらされるのか。

確かにおかしいですよね。

2つの相反する状態にも関わらず一つのアプローチで引き起こされる…

 

ということは、
問題の土台は同じである、ということになります。

英語でマインドフルネスを誘導する際に
「呼吸に意識を向ける」という表現に ’rest’ を使われることがあります。

 ’rest’ とは「休む」という意味で、
「呼吸に意識を休ませる」という誘導をしていきます。

 

ただこの「意識を休ませる」という表現、
分かるようで分かりにくいですよね。

 

おおよその場合、「休ませる」という言葉から私たちがイメージするのは
リラックスしている、ゆったりしている、のようなイメージだと思います。

 

 

瞑想やマインドフルネスでも一番に思い浮かぶイメージはリラックスではないでしょうか。

 

ということは、意識がリラックスする、緩むっていうこと?
と思うかもしれませんが、意識はリラックスしませんし、緊張もしません。

リラックスも緊張も、心がするものであり、筋肉(体)がするものです。

 

つまり、マインドフルネス瞑想で使う際の「休む」は意図しているところが違います。

それはトンボが草で休んでいるのと一緒です。

 

(本物は結構ビジュアルがきつかったので、絵で。笑)

そう、これ。

トンボ。

 

この場合、左側のトンボは草に留まることで休んでいるわけですが
大事なのはトンボの状態です。
トンボは実際にはどうでもいいです(理論の名前にまでしたのにー!?)

 

ここで問題です。
草に止まっているトンボと空中にいるトンボの違いは何でしょう?

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

(回答に進む方のみ、スクロールしてください。)

 

答えは、
安定です。

草に止まっているトンボは空中にいるトンボより「安定」していますよね。

 

マインドフルネスで意識を何か一つに留まらせる理由は
意識を「安定」させるためです。

意識が安定していないと、体も心も不安定になります。

理由は、意識は体や心の土台となるからです。

例えば、苦手だなと思う人がいたとして
その人を見ると心がざわつきますよね。

不安になったり、イライラしたり、モヤモヤしてしまうかもしれません。

体の場合は、心臓がドキドキしたり、呼吸が浅くなったりするかもしれません。

それは意識がその人に向いているから、
それに伴って体や心に働きが起こるわけです。

 

もしその人が近くにいたとしても、
例えば物陰に隠れていてその人が見えなかったら
おそらくざわつきません。

 

ちなみに、ここでいう「その人」とは、存在を指します。

つまり実際にいるかどうかは問題ではありません。

例えば、その人がいなくても、その人の香水の匂いがしたらどうでしょうか。
意識はその人の存在に向いているので、心はざわつくでしょう。

 

先ほど意識が不安定だと体も心も不安定になる、とお伝えしましたが、
意識は本来とても不安定なものです。

不安定というより、移ろいゆく、と表現した方が正しいかもしれません。

現実の物理的な様々なものに移ろいゆこともありますし、
上にあげたように頭の中のバーチャルな世界に移ろうかもしれないからです。

 

実際、私たちの意識は現実世界と頭の中の世界を行ったり来たりしていますよね。
この意識の移ろいが、心身の不安定を生み出します。

 

最初の問いに戻りますが、
なぜ同じマインドフルネスを行って、リラックスと集中(良い意味での緊張)という相反する状態が起こるのか。

 

それは、その双方に共通してい必要な「意識の安定」をもたらすからです。
その後にリラックスが起こるのか、集中が起こるのかは
そのときの状況や本人がどちらを目指して行為を行っているのかで変わります。

ただ、リラックスであろうと集中であろうと、
その質を上げるのは意識の安定です。

 

ヨガでしていることも一緒で、体を動かしていますが
目的は意識の安定です。

体が柔らかいかどうかは関係なく、
むしろどんな体の固さであろうと、
どんなポーズであろうと、
意識を常に安定に保つ練習がヨガです。

あなたの意識は安定していますか?

 

是非5分でも3分でも1分でも!

呼吸に意識を休ませてみてくださいね^^

 

松尾伊津香

プロボディデザイナー。
疲労回復専用ジムZERO GYMプログラムディレクター。 
一般社団法人ライフメディテーション協会 代表理事。
ミスター&ミセス・モデルジャパン2016 日本大会〈ミス・モデルジャパン ガールズ部門〉第3位。

福岡県博多区出身。
修猷館高校、関西学院大学文学部総合心理科学科卒業。

大学で心理学・精神医学を学ぶ中でヨガに出会う。その後、ダイエット指導の現場で食事制限により苦しむ女性たちを間の当たりにし、食欲は制限するものではなく鎮静するものだという考えから食欲と食べ方の研究を続け、「食事瞑想®」を確立。2017年には「一生太らない魔法の食欲鎮静術~食事瞑想のススメ~」を出版し、 翌年にはNHK WORLD JAPANの「Medical Frontiers」にて食事瞑想を世界の160の国と地域に発信する。
同時に、2017年にストレッチとマインドフルネスを掛け合わせた日本初の疲労回復専用ジムZEROGYMを立ち上げる。 同ジムが日経トレンディ2018年ヒット予測第三位に取り上げられ、現在は千駄ヶ谷店、新宿店、サンパウロ店、沖縄店の四店舗を展開。

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